MATSUDA: Nen-Pyo (Japanese)
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翼の世界

 

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(解説)
本来は全八巻のトーキー作品であるが、現在保存されているのは地方巡回用の無声縮刷版のみである。

村田実、溝口健二に師事した田口哲の『非常線』に次ぐ監督作品。田口監督の代表作には阪東妻三郎主演の『将軍と参謀と兵』(昭和十七年)がある。

日本最初の本格的航空映画と銘打って公開された作品であり、日本航空輸送会社との大々的タイアップの下に、大連線、台湾線、福岡飛行場等でロケーションを敢行。当時、女流飛行家として人気を得ていた西村阜子も映画初出演している。当然ながら、航空会社の宣伝映画的色彩を強く帯び、欧米の航空映画が持つ空中撮影の迫力には到底及ばなかったが、新しい事柄に果敢に挑戦したその姿勢は大いに評価された。

(略筋)
川田勲は東京飛行場に勤める一等操縦士。この度“純国産東洋型第一号”が遂に完成した。川田は同僚の親友朝倉に試験飛行をやらせたく、兼ねてから所長にたのんでいたのだが、その命令は川田に下った。これを知った朝倉は、その夜、家を出たまま戻らなかった。探し回る川田の耳に、微かにプロペラの爆音が聞こえた。飛行場に駆けつけると、紛れもなく東洋型第一号機が飛行していた。やがて着陸体勢に入ると、突然、誤って格納庫に激突―。川田は操縦士としての親友の将来を思い、事故の全責任を負って福岡へ転任して行った。入院中の朝倉は、過失の一切を書き残し自殺を計った。妹道子の知らせで川田は、輸血の為にも濃霧の中を馳せつけた。やがて仲間達の応援で全快した朝倉は、川田と共に新開拓をめざして飛び立って行く。


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