制作ニュース
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| 札幌会場(アクセス札幌) | 平成11年10月28日〜30日 |
| 郡山会場(ビッグパレットふくしま) | 平成11年11月18日、19日 |
| 東京会場(TEPIA) | 平成11年12月1日〜3日 |
| 名古屋会場(名古屋中小企業振興会館) | 平成11年11月16日、17日 |
| 大阪会場(マイドームおおさか) | 平成12年2月1日〜3日 |
| 広島会場(メルパルク広島) | 平成11年11月16日、17日 |
| 北九州会場(北九州国際会議場) | 平成11年11月16日、17日 |
弊社は、北九州、東京、大阪の3会場に出展し「日本無声映画大全」のデモをおこないます。コンピュータの画面で再生される無声映画の名作の数々を実際にご覧いただけるまたとないチャンスです。ご来場を心よりお待ちしております。(各会場へのアクセス方法など成果発表会の詳細およびマルチメディア制作支援事業については、MMCAホームページをご覧ください。)
担当:江原玲子
10月に入り、「日本無声映画大全」の制作もいよいよ追い込みを迎えました。今回、データベースを制作するにあたって一番たいへんだったのは、やはり素材のデジタル化でした。素材のなかでも文字情報のデジタル化は、便利なツールが開発されているとはいえ、やはり最後は人力に頼るところが大きく、12,000件あまりのデータのチェックは負荷の大きい作業でした。また、バイリンガル構成ということもあり、ローマ字表記のために、すべての作品名、人名の読み方を調べるという作業も発生しました。漢和辞典や人名事典をこれほど利用したことは今までになかったかもしれません。当時使われていた漢字には現在使われていないものもあり、コンピュータ上で表示するために特別に外字として作成した文字もあります。
たいへんなことばかりだったわけではありません。無声映画が上映されていた当時の資料などはとても興味深いものがありました。特に、当時の作品に対する批評にはとても厳しい調子で書かれているものもあり、驚かされました。たとえば、「何の興行価値もない作品だ」「腐るよりむしろ情けなくなった」等々です。それだけ映画という新しいメディアへの期待感が高かったのかもしれません。
こうして集められ、デジタル化された素材がこれからプログラミングされますが、商品としてお届けする前に動作確認をおこない、内容面、機能面の両方から全体を見直します。映画の草創期にかかわった人たちの熱い思いや、無声映画の名作を知っていただくデジタル媒体として便利にお使いいただけるように、これからも作業はつづきます。
担当:江原玲子
このホームページをご覧いただいた海外の方から「日本無声映画大全」に関する問い合わせやご注文をいただいています。お問い合わせの中には、無声映画に関する専門的なものもあり、日本映画に対する関心の高さが感じられます。
株式会社マツダ映画社でも、海外で無声映画の上映を弁士つきでおこなってきました。米国(ニューヨーク、ロセンゼルス、バークレー、等)、オランダ、フランス、ドイツ、オーストラリア、ブラジル等でおこなわれた公演はどれも盛況で、ある会場では、弁士・澤登翠さんが日本語で話していることを意識しないほど映画に引き込まれてしまったというお客様もいらしたようです。すばらしい映像に活弁がさらに生命力を与え、言葉や文化の壁を越えた感動を呼ぶのでしょう。
それでは、海外の方は、日本の無声映画のどこに魅力を感じるのでしょうか。ある方は、無声映画の中に現代の日本とは違う姿の社会や人々の暮らしを見ることができるからだと言います。また、『子宝騒動』などの喜劇が日本でもつくられていたことを知って驚いたという方もいます。映画の中で描かれる「昔」は、単なる過去ではなく、より身近なものとして感じることができます。これも映像の力が成せる技でしょうか。
「日本無声映画大全」は日・英バイリンガル構成です。英語版を作成するためには、ローマ字表記用に人名や作品名の読み方を調べたり、歌舞伎調のセリフや日本語の洒落を翻訳したり、いろいろとたいへんなこともありますが、海外の日本映画ファンや研究者の方々のお役に立てるのであれば、制作の苦労も無駄ではありません。日本の無声映画に関する資料の決定版として活用していただければ幸いです。もちろん海外だけではなく、日本国内でも多くの方に無声映画について知っていただければと思います。忘れ去られてしまうにはあまりに価値のあるものが、日本の無声映画作品の中にはたくさんあるのですから。
担当:江原玲子
マツダ映画社ホームページに、「アポロン活動大写真シリーズ・活弁トーキー版ビデオが6月末日をもって廃盤になりました」というお知らせが掲載されました。このシリーズでは、『雄呂血』『瀧の白糸』『砂絵呪縛』『折鶴お千』をはじめとする無声映画の名作15タイトルがご家庭でも楽しめるVHSで発売されています。(ご興味のある方はマツダ映画社ホームページをご覧ください。)「日本無声映画大全」にも無声映画の代表作45本の映像を2分程度に編集して収録する予定です。編集されたものは、各作品のハイライトシーンばかりですから、再生画面を見ていると、1本の作品を通しで見たくなります。
ところが、「日本無声映画大全」に映像を収録する作品のすべてを通しで見ることはできないのが現状です。優れた作品でありながらも、1、2分程度の断片しか残っていないものも多くあります。今回、それらの部分的にしか残っていない作品もデジタル化してDVD-ROMに収録するのは意義のあることですが、古い映像の修復、保存作業も、フィルムの劣化を考えると早急に対策が求められるところです。
古い映像というと、雨が降ったような画面が当たり前だと思っている方もいらっしゃるようですが、これはフィルムに残された傷のせいでオリジナルのフィルムにはないはずのものです。また、古い映画は、あの雨の降ったような画面だから味があるんだと思う方もいらっしゃるようですが、撮影当時は、監督やカメラマンが意図したものではなかったはずです。「斬新なカメラワーク」「その撮影技術は息をのむほど美しい」という当時の批評も残っているくらいですから、是非、撮影された当時の美しい状態で映像を見てみたいと思います。
弊社でも、ゆくゆくは映像のデジタル修復、保存にも取り組みたいと考えています。それまでは、どうぞ「日本無声映画大全」に収録されている名作のダイジェスト版をお楽しみください。
担当:江原玲子
テレビがまだ生まれていなかった時代、映画は庶民の娯楽として大きく開花しました。無声映画時代に名子役として活躍された松尾文人さんにお話を伺った際には、「1週間に2、3本の作品が制作されていた」とおっしゃっていました。徹夜の撮影の翌日に早朝ロケというスケジュールが日常だったそうです。それだけ映画に活気があった時代だったのでしょう。
そんな映画に対する需要に応えるかのように、無声映画時代には、喜劇、悲劇、恋愛もの、冒険活劇など、様々な作品が制作されています。「日本無声映画大全」に収録する作品の粗筋・解説を読んでいると、その内容の多様さに驚きます。そして、ひとつの特徴にも気付きます。それは、「貧しさ」が話の核になっている作品が多いということです。「貧しさ」ゆえの悲劇、「貧しさ」が原因となって起こる事件などが中心になって話は展開していきます。
以前、弁士の澤登翠さんにお話をお伺いしたときに、無声映画の解説をおこなう際に気を付けていることとして、現代ではわからなくなっているものも観客の方に理解していただけるように、説明を加えているとおっしゃっていました。現代人が理解できないものとして、たとえば、炭団(たどん)などの生活用品もありますが、澤登さんはそのひとつとして「貧しさ」をあげていらっしゃいました。確かに、物に不自由しない豊かな現代では、子供の入院費を用意できずに強盗をはたらいてしまう『その夜の妻』の父親の苦しみや、貧しさを乗り越えながら子供たちを育て上げていく『子宝騒動』のおもしろさは、理解するのがむずかしいかもしれません。それでも、作品の内容を的確に観客に伝え、感動を呼ぶのは、弁士の力といえるでしょう。
無声映画を見ていると、「貧しさ」以外にも、現代の日本人が忘れてしまったものをたくさん見つけます。「日本無声映画大全」には、作品に関する資料をできるだけ多く収録し、映像と共にその作品が描いた時代の息吹といったものも遺していきたいと考えています。
担当:江原玲子
「日本無声映画大全」に収録するために、吉村公三郎監督のご自宅へインタビューに伺いました。
1911年生まれの吉村監督は、現在87歳。「安城家の舞踏会」「足摺岬」「地上」等々、数々の名作を世に送りだし、1976年には紫綬褒章を受章されています。また、無声映画からトーキーへの移行期の撮影所の雰囲気を実際に知っていらっしゃる貴重な存在でもあります。吉村監督のお話は、当時の作品の内容、日本映画と海外の作品の違いから、昭和初期の蒲田撮影所の様子まで多岐にわたりました。特に当時活躍されていた監督や俳優さんたちのエピソードには興味深いものがあり、インタビューの予定時間を過ぎても話は尽きないほどでした。お話の途中で吉村監督が感慨深げに「古い話だねえ」とおっしゃいました。日本で無声映画が主につくられていたのは、昭和12、3年くらいまでといわれています。今回のDVD-ROMに収録する映像も、今から60年以上も前の作品になりますから、確かに古いものかもしれません。
後日、DVDで再生する映像の品質を確認するために某社にお伺いしました。最新の機材が並ぶ部屋で、昭和6年に製作された「御誂次郎吉格子」がモニターに映し出されました。オリジナルのフィルム自体に多少の傷はあるものの、作品はデジタル映像として活動弁士の語りとともに鮮やかに甦りました。そこにあるのは、「古さ」ではなく、むしろ「新しい驚き」でした。
日本の無声映画には多くの名作がありながら、残念なことにその作品について知る人はあまりいません。この優れた映像資料を「古いもの」として眠らせず、最新のデジタル技術を駆使して「新しいもの」として皆様にお届けします。制作途中の新たな発見や出会いをこれからも制作ニュースでお知らせします。どうぞお楽しみに。
担当:江原玲子
「きれいですね、これはいつ頃の作品なんですか」
「あ、阪妻ですね。阪妻はあこがれの人だったんです」
「無声映画作品ってこんなにバラエティに富んでいるんですね」
東京国際ブックフェア(東京ビッグサイトにて4月22日〜25日開催)会場で『日本無声映画大全』プロトタイプの展示をおこないました。その際にパソコンの画面上に再生される無声映画作品をご覧になった来場者の方々の感想の一部です。弊社ブースにお立ち寄りいただいた方々の年齢層も無声映画を実際にご覧になったことがあるという60歳代以上の方から映像に興味がある10代の方までというバラエティに富むものでした。このように多くの人々の足を留めさせたのは、一重に「無声映画」という優れたコンテンツが持つ力だと思います。
DVD-ROMデータベース『日本無声映画大全』は本年12月のリリースを目指して、現在編集作業が続けられていますが、無声映画に関する資料を読んでいて感じるのは、その当時映画制作に携わった人々の「映画」という新しいメディアに対する、ワクワクするような期待感です。そして今、DVD-ROMデータベースの制作に携わりながら、我々は、DVDという新しいデジタルメディアに同じような期待感を抱いています。大容量を備えたDVDは、映像の収録に大変適したメディアです。CD-ROMでは2枚、3枚組みになりそうな大量の動画の再生がDVD1枚で可能になるのです。
この新しいデジタルメディアで日本の無声映画作品と活動弁士の話芸を現代に蘇らせるという、胸躍るプロジェクトの進行状況を毎月このコーナーに掲載します。ご期待ください。
担当:江原玲子