MATSUDA: Nen-Pyo (Japanese)
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街 の 子

 

スタッフ

キャスト


(解説)
畑中蓼坡を指導者として結成された〈新劇協会〉で製作した教育映画で、学校巡回用に作られたらしく、劇場公開された記録はない。畑中蓼坡は日露戦争中に渡米して、ニュー・ヨークの俳優学校でメアリー・ピックフォードと共に学んだ経験を持ち、監督としてよりもむしろ俳優として戦後まで活躍した。監督としての代表作は、デビュー作となる井上正夫、水谷八重子主演の『寒椿』(二十一年)であり、好評を得ている。

十代のまだあどけない少女の頃の夏川静江に出会えるのが、本作品の楽しみの一つであり、弟の夏川大吾(後の大二郎)と共演しているのも貴重である。静江は、二十年に行われた〈新劇協会〉の第二回公演「青い鳥」では、水谷八重子のチルチル役に対してミチル役で共演し、新劇史に残る舞台として評判になっている。

(略筋)
不幸にも震災で両親を亡くした少女お京は、浅草界隈に巣食う不良の親分金平に囚われ、悪事を強いられていた。親分は我が子にだけは悪事をさせなかった。或日、その伜がお京を見かね、親分の留守にお京を逃がした。お京が助けを求めたのは、生れながらの孤児で“エレキの仙吉”と、悪名高き浮浪児であった。二人はあてどなく山の手の街を彷徨歩いた。幾度となくお京は姉のように仙吉を諭し改心させようとするのだが、親分の手下に邪魔されたりしてなかなか足が洗えない。仙吉は手下から奪った金でリボンを買いお京に贈るが、お京は喜ばなかった。力無く帰る途中、仙吉は手下に復讐され、気を失って倒れてしまう。だが、運良く山田博士に救われるのだった。やがて、この博士との出会いが、お京の真心の愛が、仙吉を真人間に立返らせるのであった。


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