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大列車強盗
The Great Train Robbery

スタッフ

キャスト


(解説)
アメリカ東部のニュージャージー州の広々とした大自然の中で撮影された《西部劇の始祖》ともいうべき作品であると共に、アメリカ映画初期の傑作である。

監督のエドウィン S. ポーターは、エジソン発明ヴァイタスコープの代理店で映写技師として働いていた時にブロードウェイ中心部にあるビルの屋上でコマーシャルを上映して評判をとり、やがてニューヨーク蝋人形館の映写技師に転じると、そこでリュミエール、ジョルジュ・メリエス、ロバート・ポールなどの映画技法を身につけていった。エディスン・カンパニーに入社して撮影技師となり監督も兼ねるようになると、自身の映画の中で様々な実験を試み、現代では映画編集と呼ばれる映画構成の基礎を築き上げて《アメリカ劇映画の始祖》と呼ばれるようになった。本作品では、屋外シーンと屋内シーンを交互につなぎ合わせるなどの技法を使ってアクションに富んだストーリーを映画的に展開させ、カメラの前を水平に動く動きだけでなく、カメラに向かったり、遠ざかったりする動きなども使用、カメラが僅かにパンしているところも見受けられる。

当時のアメリカ映画界には未だ出演者に俳優を使うという発想は無かったが、ポーターは本作の製作にあたって、疾走する馬から墜落するために冒険俳優のフランク・ハナウェイを、盗賊の首領には舞台俳優のジョージ・バーンズを出演させている。

又、本作品は突然のクローズアップで終わっているが、当時のエディスン社のカタログによれば、このシーンは、上映者の意向によって、作品のトップでもラストでも、好きな方に挿入して構わないとの事である。

今回の上映フィルムは、着色による部分カラーであり、映画創成期におけるカラーの技術も注目に値する。

(略筋)
駅で列車に乗り込んだ盗賊団は、貨物から現金を抜き取り、乗客を列車から降ろして貴重品を奪うことに成功、馬に乗って逃走する。追跡してきた警備隊は遂に盗賊団を追い詰め、そこで激しい銃撃戦が展開される。


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