2023年6月2日         東京都・新宿区

第3回カツベン映画祭



名 称:

第3回カツベン映画祭(新宿東口映画祭提携企画)

日 時:

2023年6月2日(金)午前10時開演~


会 場:

武蔵野館 〒160-0022 東京都新宿区新宿3-27-10 武蔵野ビル3F


入場料:

全席指定 1プログラム 2,000円


販売方法:

5月19日正午より武蔵野館及び武蔵野館チケットサイトにて販売
※ 先行販売席数限定 通し券7,000円(税込)は、マツダ映画社にて取り扱いあり。


協 賛:

武蔵野興業株式会社


協 力:

シネマテーク・フランセーズ


主 催:

株式会社マツダ映画社・カツベン映画祭実行委員会
〒120-0003 東京都足立区東和3-18-4

【上映スケジュール/全6プログラム】


【上映作品紹介】

死滅の谷 Der müde Tod 

1921年 独 デグラ・ビオスコープ作品  89分
監督/フリッツ・ラング 出演/ベルンハルト・ゲッケ、リル・タゴファー

ドイツ映画の代表的監督の1人フリッツ・ラングの初期の傑作
人間の生と死と愛の寓話

幸せいっぱいの恋人たちは村に向かう途中、一人の男を馬車に乗せる。2人は知らないが、その男は死神であった。村に着いた死神は墓地の近くの土地を借り受け、ドアも門もない高い壁に囲まれた館を建てる。恋人たちが居酒屋で睦まじく語らっているところに無邪気な見知らぬ男の姿をした死神が現れる。彼女が席を外し、戻ってくると彼の姿が消えていた…

弁士: 澤登 翠
演奏:カラード・モノトーン・デュオ 湯浅ジョウイチ 鈴木真紀子
男達ばやり 

1931(昭和6)年 片岡千恵蔵プロ作品  71分
監督/稲垣浩  出演/片岡千恵蔵、海江田譲二、衣笠淳子

本年生誕120年なる片岡千恵蔵主演のユーモアに富んだ粋でモダンな明朗時代劇。性格俳優として人気を博した海江田譲二との初顔合わせした作品

四代将軍家綱の治世。旗本奴の三浦小次郎は上野不忍の池で老人の身投げに出くわす。助けようにも泳げない小次郎に代わり、老人の救ったのは幡随院長兵衛の身内朝日奈三郎兵衛という町奴だった。身投げの訳を訊ねた、侠気を信条とする〝男達〟の二人は…

弁士: 坂本 頼光
演奏: 宮澤やすみ
喜劇 汗 

1930(昭和5)年 日活太秦撮影所作品    76分
監督/内田吐夢   出演/島耕二、吉井康、滝花久子
作品提供・協力:神戸映画資料館

格差社会への風刺をシニカルに描いた秀逸センスのトム・コメディ!島耕二のおぼっちゃんがハマり役。

大金持ちのお坊ちゃん北山平左エ門(島耕二)は退屈な毎日に飽き飽き、あれこれ世話を焼く爺や(吉井康)の源兵衛にもうんざりな日々を過ごしていた。そんなある日、ひょんなことから浮浪者と服を取り替えられてしまう。家にも帰れず途方に暮れていたところ、お静(滝花久子)という娘に助けられ建設現場の仕事を紹介される。生れて初めての労働に驚愕落胆するも、次第に平左エ門は仲間の大切さや働く尊さに気づいてゆく…

弁士: 大森 くみこ
演奏: 鳥飼りょう
要心無用 Safety Last 

1923年 米 パテー作品  67分
監督/サム・テイラー、フレッド・ニューメイヤー
出演/ハロルド・ロイド、ミルドレッド・デイヴィス

生誕130年の喜劇王ハロルド・ロイドの代表作。
時計にぶら下がる有名なシーンは映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『プロジェクトA』など世界中の映画や著名コンテンツで数多くオマージュされている。

グレート・ベントの片田舎から大きな夢を抱いて憧れの都会へやって来たロイド。一日も早く出世して、愛するミルドレッドと一緒に町で暮らそうと誓っていた。だがしかし、世の中そう思うようにはいかない。それでもロイドはミルドレッドに、せっせとラブレターを書き続ける。仕事は順調、出世もとんとん拍子と…

弾き語り弁士: 山崎 バニラ
沈黙 Silence 

1926年 米 デミル・ピクチャーズ作品 62分
監督:ルパート・ジュリアン 
出演:ベラ・レイノルズ、H・B・ワーナー、レイモンド・ハットン

  消滅したと思われていたフィルムが、2016年にフランスで発見された。今回が発見後初、約90年ぶりの日本上映となる。監督は『オペラの怪人』(1925)などで知られるルパート・ジュリアン。親子の情愛を描いた傑作である。
シネマテーク・フランセーズとサンフランシスコ無声映画祭による復元作品
作品提供・協力:シネマテーク・フランセーズ

ジムは妻との間に出来た子供の出産日に、自らが犯した罪によって家族と別れることとなった。10数年後、妻は既に亡くなり、結婚を控える娘は美しく育っていた。この時、娘の育ての親であるフィルの前に、かつてジムと悪事の相棒であった悪漢が現れ、ジムの過去をもとにフィルを強請ろうとする。娘の幸せを願うジムは悪漢を殺害した。殺人の罪で警察に捕らえられたジムは、娘の出生の秘密を守るために取り調べに対し沈黙した。

弁士: 片岡 一郎
演奏: 上屋安由美
イバニエズの激流  The Torrent 

1926年 米 MGM作品   70分
監督/モンタ・ベル
出演/グレタ・ガルボ、リカルド・コルテス

伝説の大スター グレタ・ガルボのハリウッドデビュー作。
原作は『黙示録四騎士』『血と砂』で知られるスペインの作家ビンセンテ・ブラスコ・イバニエズの小説。

スペイン、バレンシア地方の村に住むレオノーラは歌の才に恵まれていた。村の地主の息子ラファエルと愛し合っていたが、結婚を彼の母に阻まれたため、父と共に村を出てパリへ出、歌劇女優として成功する。久し振りに村に帰ってみると、ラファエルは議員となり母がすすめる女性レメーディオスとの結婚を控えていた。再会した二人に昔の感情が甦る。そうした時に嵐が襲来し…

弁士: 山内菜々子
演奏: 丹原要
デブ君の漂流 Fatty And Mabel Adrift 

1916年 米 トライアングル・キーストン社作品 27分
製作/マック・セネット 監督/ロスコー・アーバックル
出演/ロスコー・アーバックル、メーベル・ノーマンド、アル・セント・ジョン

淀川長治氏が小学生の時に、初めてひとりで映画館で観た映画が本作品。ロスコー・アーバックルは当時の彼にとって、一番面白いと感じた伝説の喜劇俳優。
作品提供・協力:喜劇映画研究会所蔵

ファッティとメーベルは農場育ちの幼なじみ。海辺の小屋で甘い新婚生活をおくる二人を妬むは、恋敵であるジョン。ならず者と共に二人を家ごと太平洋へと漂流させた!愛犬リュークがその危機に挑む。嗚呼、ファッティとメーベルの運命や如何に!!

弁士: 縁寿
演奏: 神﨑えり
國士無双 

1932(昭和7)年  片岡千恵蔵プロダクション作品  22分
監督/伊丹万作
出演/片岡千恵蔵、高勢実乘、山田五十鈴

才人・伊丹万作監督の代表作。それ迄の時代劇にはなかった諧謔と風刺精神が高く評価された。昭和七年キネマ旬報ベストテン第6位

武士道華やかなりし頃は過ぎ、剣では飯の食えない時代に空腹を嘆く浪人二人。尾羽うち枯らした尾羽内烏之丞(おはうち からすのじょう)と、イカサマ策士の伊賀左馬亮(いか さまのすけ)。何とか美味い酒にありつこうと一思案、偶々近くに居合わせた田舎者を捕まえ、将軍家御指南番・伊勢伊勢守大先生に仕立てあげる。本物と間違われ旅籠で歓待を受ける贋物だったが、ひょんな事から本物の伊勢伊勢守の娘・八重を助ける…

弁士: 植杉 賢寿
演奏: 坂本真理

【弁士紹介】

澤登 翠(さわと みどり) 

法政大学文学部哲学科卒業。故松田春翠門下。
日本独特の話芸「活弁」の第一人者として、国内を始め仏、伊、米他海外にも招聘され好評を博している。洋画、現代劇、時代劇とレパートリーも豊富。活弁の継承者としての活動が評価され、これまでに文化庁芸術祭優秀賞、文化庁映画賞他を受賞。無声映画鑑賞会での公演を基盤に国立映画アーカイブや各地の映画祭での公演、大学他での講座、TV番組のナレーション、朗読とその活動は多岐に亘る。2015年、「文藝春秋」に掲載の「日本を代表する女性120人」に選出、2017年3月には松尾芸能賞特別賞を受賞。周防正行監督最新作映画『カツベン!』では、活動弁士監修を担当した。本年、弁士デビュー50周年を迎える。
坂本 頼光(さかもと らいこう) 

中学時代より活動写真弁士を志す。2000年に、「鞍馬天狗」でデビュー後、映画館、寺社仏閣、寄席等様々な場所に多数出演。これまでに説明した作品は約120本。2010年にはアメリカのエール大学他五大学で無声映画公演、2012年にはフランスの映画保存機関シネマテーク・フランセーズの上映会、昨年はパリで開催された「ジャポニスム2018:響きあう魂」の公式企画「日本映画の100年」など海外でも弁士を務め好評を博した。 平成28年度国立演芸場・花形演芸大賞の銀賞、平成30年度同賞の金賞を受賞。周防正行監督の最新作『カツベン!』では出演のほか主演の成田凌、永瀬正敏の弁士指導を担当した。
大森 くみこ(おおもり くみこ) 

関西を活動拠点に無声映画上映会、国内外の映画祭等に出演。招聘された映画祭は台北映画祭、韓国インディアニフェスト、京都国際映画祭、京都ヒストリカ国際映画祭など多数。2019年にはロサンゼルスで行われた「The Art of the Benshi」に出演し好評を博す。 天満天神繁昌亭昼席に色物で定期出演、OSシネマズ神戸ハーバーランドでは定期活弁ライブを開催。TV・ラジオパーソナリティー、ナレーターとしても活躍。ラジオ関西『羽川英樹ハッスル!!』ラジオ大阪『Hit&Hit水曜日』にレギュラー出演、おじさんから可憐な少女まで幅広いキャラクターづくりが持ち味。日本女子体育大学出身の力持ち。
山崎 バニラ(やまざき ばにら) 

活弁士(活動写真弁士)。2001年、無声映画シアターレストラン「東京キネマ倶楽部」座付き弁士としてデビュー。独特の声で大正琴とピアノを弾き語る独自の芸風を確立。2018年~東京国際映画祭ユース部門で活弁を披露。2019年公開、周防正行監督『カツベン!』に出演。声優としてもアニメ『ドラえもん』ジャイ子役、Eテレ『天才てれびくんhello,』ひらり役他出演作多数。清泉女子大学のスペイン語学科卒業の経験を生かし、2021年度上半期NHKラジオ『まいにちスペイン語』でコーナーを担当。 宮城県白石市観光大使。著書に『活弁士、山崎バニラ』。
片岡 一郎(かたおか いちろう) 

1977年生まれ。東京都出身。活動弁士の第一人者澤登翠の一番弟子として、2002年に入門。2016年には活動弁士として戦後初の歌舞伎座出演を果たした他、国外での活動も多く、これまで18ヵ国で公演を行っている。2018年にはフィリピン初の活動弁士誕生を支援。失われた無声映画のフィルム発掘にも尽力している。活動弁士の他にも執筆や舞台出演、声優業と多岐にわたって活躍中。これまで活動弁士を担当した無声映画は約350本。周防正行監督の『カツベン!』では出演のほか時代考証や高良健吾、森田甘路の弁士指導を担当。 昨年、初の著書「活動写真弁史: 映画に魂を吹き込む人びと」(共和国)を出版した。
山内 菜々子(やまうち ななこ) 
栃木県那須塩原市出身。2010年澤登翠一門に入門。2013年6月「第659回無声映画鑑賞会」で弁士デビュー。以降、無声映画鑑賞会に定期的に出演するほか、2017年には地元栃木県「那須温泉映画祭」にも出演。2019年公開、周防正行監督「カツベン!」に出演。2021、22年には全国7か所のミニシアターが主催する、小学生から高校生を対象とした「夏休みの映画館~忘れられない映画に出会う、夏。」に出演するほか、大学生が主催する「第32回東京学生映画祭」「ジェンダー・ギャップ映画祭」(いずれも2021年)に出演するなど、幅広い世代に向けて活弁上映を行っている。2022年には初めての海外公演(アメリカ)を実現。また、2021年4月~2022年2月まで集英社少女漫画アプリ「マンガMee」にて連載された『RAY-麗-大正キネマ物語』(作:ナスノマユカ)の監修協力を務めた。
縁寿 (えんじゅ) 

1981年劇団ひまわり入団。公演部昇格後は、全国公演「小さい魔女」の主役等で活躍。88年に退団後は、劇団影法師の国際交流基金派遣公演でアジア6ヶ国への公演参加や、水芸(和妻)のアシスタントなどを経て、2001年より活動写真弁士としてスタートを切る。 のらくろなどのアニメから、鞍馬天狗などの時代劇まで、役者ならではの語り口を生かしたパフォーマンスで守備範囲は広い。 NHK「BSプレマップ新作海外ドラマ」ではマスコミにも進出。2007年7月には、インド・デリーで開催された「オシアンズ・シネファン第9回アジア・アラブ映画祭」2011年2月には、エストニア・タリンにて「欧州文化首都2011」のイベントにて活弁を披露した。
植杉 賢寿(うえすぎ よりとし) 

1971年東京生まれ、横浜在住。昼間は会社員と二足の草鞋。89年、活弁に出会う。自らの言葉で映画を語るその魅力の虜となり、同年マツダ映画社主催の話術研究会「 蛙の会」に入会。91年、無声映画鑑賞会で弁士デビュー。 途中ブランクを挟み13年鑑賞会に復活。邦画・洋画とジャンルを問わず出演、 「ハマのオヤジ弁士」として活躍。 現代の世に通じる活弁の構築を目指し日々奮闘中。

【演奏者紹介】

カラード・モノトーン・デュオ

湯浅ジョウイチ(ゆあさ じょういち)
(作曲・編曲、ギター)
 

1987年、東京国際映画祭でグリフィス監督の「國民の創生」の楽士を務めて以来、無声映画期音楽の復元・作/編曲を行い、後に和洋楽団カラード・モノトーンを結成。 当時の再現演奏ができる唯一の楽士。日仏連携イベント「ジャポニスム2018」をはじめ欧米への招聘も受け精力的に活動している。

鈴木真紀子(すずき まきこ)
(フルート)
 

桐朋学園大学音楽学部卒業。フルートを峰岸壮一氏に師事。卒業後、無声映画専門和洋楽団カラード・モノトーンのメンバーとして活動。 「ジャポニスム2018」では、パリを始め四都市での公演を大成功に収め、帰国後、楽長の湯浅氏と共に総理官邸での感謝の集いに招聘。
上屋安由美(かみや あゆみ)
(作曲、ピアノ)
 

愛知県名古屋市出身。桐朋学園大学音楽学部作曲専攻卒業、同大学研究科修了。同大学音楽学部付属子供のための音楽教室ソルフェージュ講師。これまでポルデノーネ無声映画祭、東京国際映画祭等に出演。ピアノを故・松岡晴子、三輪郁、作曲を三瀬和朗、大家百子の各氏に師事。
宮澤やすみ(みやざわ やすみ)
(三味線)
 

東京・神楽坂で小唄の指導をしながら、三味線弾き唄いの演奏活動をする。2010年から無声映画伴奏に携わり、東京国際映画祭やイタリア・ポルデノーネ無声映画祭など出演。小唄扇派師範。長唄三味線を杵屋巳太郎師に師事。昭和初期の流行歌再現プロジェクトやロックバンドにも参加。2021年ソロアルバム『SHAMISEN DYSTOPIA』をリリース。
鳥飼りょう(とりかい りょう)
(ピアノ)
 

サイレント映画の楽士。ピアノ、パーカッションを演奏。 全ジャンルの映画に即興で伴奏をつけ、これまでに伴奏した作品数は500以上。映画に寄り添うその演奏は好評を博し、国内外の映画祭や劇場等での伴奏上映に多数出演。2018年、神戸発掘映画祭でフィルムアルヒーフ・オーストリア(オーストリア国立アーカイブ)が修復した『オーラックの手』デジタル復元最新版のワールド・プレミア上映で伴奏を担当。2021年、ピアノを常設する映画館を巡る全国ツアー「ピアノ×キネマ」を開催。現在、最も上映会で演奏する楽士のうちの一人として関西を中心に活動している。無声映画振興会代表。
坂本真理(さかもと まり)
(ピアノ)
 

付属音楽高校普通科を経て国立音楽大学教育音楽学科リトミック専攻卒業。むらさき幼稚園園長を経て、2016年に「むらさきmusicラボ」設立、同年より無声映画楽士、楽器づくり講座、リトミック保育者研修などの活動を行う。 パーカッショニストとして、民族音楽、古楽器などの演奏活動も行っている。
神﨑えり(こうざき えり)
(作曲、ピアノ)
 

国立音楽大学作曲学科を首席で卒業後渡仏、パリ国立高等音楽院にて作曲法の学位を最優秀の成績で取得。また、同音楽院ピアノ即興演奏科に日本人として初めて合格・卒業する。在仏中より音楽活動を積極的に行っており、作曲家として国内外の演奏家への作品提供多数。即興演奏家・ピアニストとしては欧米諸国のイベントに多数出演。近年はピアノ即興演奏による映画伴奏に力を入れており、イタリアのポルデノーネ無声映画祭、京都国際映画祭などで招待演奏を行い、高い評価を得ている。現在は音楽活動の傍ら、後進の指導にもあたっている。東京高等バレエ学校ピアニスト。
丹原 要(たんばら かなめ)
(ピアノ)
 

岡山市出身、東京都在住。音楽教室やこども園、中学・高等学校にて、ピアノやリトミックを中心に指導を行っている。カラード・モノトーンの湯浅ジョウイチ氏とのご縁により、無声映画の伴奏音楽の舞台を踏む。近年はリトミックの創始者であるダルクローズの作品の研究に注力している。



[お問い合わせ]    株式会社マツダ映画社   ℡:03-3605-9981 
Mail:katsuben@matsudafilm.com